スポーツでも何でも強い選手をよく、
あいつはバケモノだなんて言いますが、
暗闇で僕を追ってくるそれはもう。。。
近くの大学の陸上部かなぁ。
夜明け前、暗い線路ぞいを乗っていると、
夜明け前、暗い線路ぞいを乗っていると、
いつものお年寄りの散歩とは違うスピードの、
ランナーの影が見えました。
そしてランナーを抜くとすぐ右折です。
この踏切をわたるとほとんど街灯がなくて暗いし、
こっちへは来ないだろうと思いながら。
踏切からは緩い上りで、
いつものようにスピードをゆるめてプラプラと乗っていると、
後ろでカッカッカッという足音が聞こえます
来たんや…
本気のトレーニングっぽいし、
僕がペーサーになるのも良いな、
ちょっと速いかな、なんて思いながら、
後ろを見ることなく20㎞ぐらいのゆるいスピードで進み、
僕のコースになる峠入口のT字路で、
さすがにこの峠は真っ暗だし、急坂だし走らないだろう、
早朝にこんなとこ走るの、
カワリモンの僕ぐらいだからな、
なんて思いながら曲がって上っていると、、
カッカッカッというさっきの地面を蹴る足音。
それも下の道のときよりも力強く、速く。
暗がりで見えないけれど、
白いランウエアの長身で筋肉質な若者が、
力強く僕を追っている姿が想像できました。
前を走る僕は、大きな獣に追われている気持ち。
暗いし、追ってくるスピードは速いし、
それはもう幽霊だと感じながらの上り坂150m。
そして坂の上にあるトンネル内に響く、
ハァハァハァという声を恥じながら走り、
出てまたすぐ300mくらい上るのですが、
ここも付いてくる付いてくる
音から想像するに真後ろ3m。
いえ、(遅い)僕を抜こうとして、右後ろベッタリ…。
こうなると自転車の自分が速いのか、
遅いのかわからなくなっていて、
もうペーサーなんていうエラそうな気持ちは消え、
走る彼と、マウンテンバイクの僕の競走です。
『何が起こるかわからん病み上がりやから、
ヤメとこかな』と考えたけれど、
元レーサーの僕の頭と身体が許しませんでした(笑;)
6年間、
毎朝ここを上っていますが、
過去最高の心拍だったはずです
正直、勝った…なんて思いましたし、
負けんで良かった…とも思いました。
「どこまで?」と尋ねたかったけれど、
暗くて顔は見えないし、
ハァハァゼェゼェ肩をゆらして一言も出せないので、
てっぺんの路面を照らす、
小さな街灯の下で左手を大きく伸ばして、
腕のストップウォッチを確認する彼に、
『ありがとう、頑張って』と、
一方的にお別れのジェスチャーをして下りました。
本気のランナーって、あんなに速いものなのか......
下りは僕の自転車は60㎞ぐらいなので、
追ってこれることはないと思いましたが、
バケモノのようなランスピードではわかりません。。
でももし本当に幽霊なら、
真後ろにいるよな、なんて思いながら。
下りで彼を振り切った僕は安心して^^;、
いつもの歩くよりちょっと速いスピードにして呼吸をもどし、
村道を抜けて帰宅しました。
追ってきてないか、何度か後ろを振り返りながら
だいぶ明るくなったコース終盤、
自宅近くでウォーキング中の妻とすれ違ったのですが、
帰宅後この闘走話をしたとき、
「お父さんが行ったすぐ後ろから、
物凄いスピードで走ってくる人が来たで」。
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